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支援業務とは
特定技能外国人を採用するにあたって、雇用企業が必ず行う必要がある業務が「支援業務」です。特定技能外国人を雇用している多くの企業が「登録支援機関」に支援業務を委託しています。
支援業務の進め方
支援業務の進め方には、下記の2通りの方法があります。
登録支援機関の活用
企業は、登録支援機関に支援業務を委託・代行することが認められています。社内で支援業務を担当できる担当者がいない、支援担当者が採用できない場合は、登録支援機関に支援業務を委託している企業も多くあります。
自社支援
登録支援機関を利用せずに、自社で支援業務を行うことも可能です。しかし、自社で支援業務を行うためには以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
- ① 過去2年間で中長期在留者の受け入れ実績があること
- ② 外国人に対して2年以内に生活相談を行った経験がある担当者がいること
- ③ ①、②の条件と同程度に支援業務を適正に実施することができる者がいると認められること
自社で支援業務を行う場合、支援計画の作成や雇用後に必要になる定期届出等の対応も自社で行う必要があります。
支援業務内製化のメリット
委託管理費の削減
支援業務を内製化し、自社支援に切り替える最大のメリットは支援委託費用の削減です。委託先の登録支援機関にもよりますが、多くの場合特定技能外国人1人当たり月額約2~3万円の費用がかかります。そのため、雇用する特定技能外国人の人数が多くなればなるほど、支援委託費用がかさんでしまうことになります。
自社支援に切り替えた場合、1人の支援担当者で約20名の外国人の支援に当たることができます。支援担当者の人件費を考慮しても、十分に費用の削減につながります。
ノウハウの蓄積
自社支援を継続して行うことで、外国人材の管理体制や支援業務のノウハウを自社内で蓄積することができます。このノウハウを活かし、より多くの外国人材の雇用を進め、事業の発展に役立てることができます。
外国人材の定着
支援業務を通じて、外国人と支援担当者が密接にコミュニケーションをとることによって職場環境や業務に対する不満を改善しやすくなります。その結果、働きやすい環境の整備を進めやすくなり、外国人材の定着にもつながりやすくなります。
自社支援(支援業務内製化)をした場合に発生する業務内容
自社支援を進めていくにあたって、支援業務として対応しなければいけない業務は下記になります。(出入国在留管理庁「1号特定技能外国人支援・登録支援機関について」参照)
支援計画の作成
以下に列挙する義務的支援をどのように進めるかの計画を作成し、出入国在留管理庁に提出します。
事前ガイダンス
雇用契約締結後、在留資格認定証明書交付申請前又は在留資格変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について、対面・テレビ電話等で説明します。
出入国の送迎
入国時に空港等と事業所又は住居への送迎および帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行が必要です。
住居確保・生活に必要な契約支援
住居契約の際に連帯保証人になる、社宅を提供する等の住居確保のためのサポートや、銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等の案内・各手続の補助も支援業務に含まれます。
生活オリエンテーション
日本のルールやマナー、公共機関の利用方法や連絡先、災害時の対応等の説明など、日本での生活がスムーズに行えるようオリエンテーションを実施します。
公的手続等への同行
社会保障や税に関する手続きへの同行や書類作成のサポートを行います。
日本語学習の機会の提供
日本語教室等の入学案内など、日本語学習の機会が得られるよう情報提供を行います。
相談・苦情への対応
職場や生活上の相談・苦情等について、外国人が十分に理解することができる言語での対応を行います。相談の内容に応じて必要な助言や指導の実施も支援業務に含まれます。
日本人との交流促進
自治会等の地域住民との交流の場、地域のお祭りなどの行事の案内や参加の補助等を行います。
定期的な面談・行政機関への通報
支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談し、労働基準法違反等があれば通報します。
当事務所の内製化サポート
内製化に向けた社内体制構築サポート
自社支援に向けた支援担当者の育成研修など社内体制の構築に向けたサポートをいたします。
書類作成サポート
自社支援を進めるためには、下記の書類を提出する必要があります。
- ① 支援計画の変更に係る届出書
- ② 新しい支援計画書
- ③ 特定技能所属機関による支援委託契約に係る届出
- ④ 特定技能所属機関概要書
- ⑤ 受入れ企業の組織図
当事務所では、これらの書類の作成を企業の皆様と一緒に行い、スムーズな自社支援への移行をサポートいたします。
支援業務への継続的なアドバイス
支援業務内製化完了後も、顧問契約をいただくことにより、支援業務が適切に行えているかどうか、届出などに問題がないかどうかのアドバイスをさせていただきます。また、支援業務を進める上での課題についても改善に向けて尽力させていただきます。
支援業務内製化を検討している方は、ぜひ当事務所までご相談ください
多くの特定技能人材を雇用している企業様ほど、支援業務を内製化するメリットは大きくなります。しかし、自社のみで内製化を進めるには困難が伴うことも少なくありません。そこで、外国人雇用分野に精通した専門家のサポートを受けることで、よりスムーズな自社支援移行が可能になります。
当事務所では、支援業務の内製化サポートを行っております。皆様の実態に合わせて最適な移行をサポートさせていただきます。特に、入国管理局出身の弁護士が、その専門的な知識と経験を活かし、皆様の企業の実情に合わせた最適な移行プランをご提案いたします。
支援業務の内製化をご検討の企業様は、ぜひ一度、入管業務に精通した当事務所の弁護士までお気軽にご相談ください。