弁護士からの回答
外国人社員に対して母国の長期休暇(例:旧正月、クリスマス等)と同じ時期に特別休暇を「必ず」付与する義務はありません。日本国内で雇用される外国人も、日本人と同じく「労働基準法」に基づく休暇取得(年次有給休暇、法定休暇等)が原則です。
解説
年次有給休暇や法定休暇の付与は外国人にも平等に行われ、日本人と同じ扱いとなります。
外国人社員が母国の長期休暇時期に合わせて休む場合、「有給休暇」を利用して取得する運用が一般的です。
企業側が独自に「一時帰国休暇」や「母国祝祭日休暇」等の特別休暇を就業規則等で設けることは自由ですが、法的義務ではなく会社ごとの任意です。
労働基準法では、年5日の有給休暇取得を企業側が確保する義務がありますが、それ以上の取得や時期に関しては、原則として労使間協議や就業規則が基準です。
実務的なポイント
外国人から母国の行事に合わせた長期休暇申請が来た場合は、日本の有給休暇を利用するよう案内し、業務調整可能な範囲で配慮するのが望ましい運用となっています。
有給が足りない場合や連続日数が多い場合は、欠勤扱い、無給休暇もあり得ます。就業規則や休暇取得ルールを事前に明示し、外国人社員にも説明しておくことが大切です。
なお、企業の外国人材の定着を促進する上で、「一時帰国休暇」や「母国祝祭日休暇」等の特別休暇を就業規則で設けることは有効な手段であり、その整備費用を助成する制度(人材確保等支援助成金)も存在します。助成金の要件や手続きは、年度やコースによって変更される可能性があります。申請を検討する際は、最新情報を厚生労働省のウェブサイトで確認するか、専門家(弁護士など)に相談することをおすすめします。


